つぶやき

個人的なブログです。コメントやトラックバックに関しての事などPROFILEに書いてありますのでお読み下さい。
<< 読んでない | MAIN | ダージュ オブ ケルベロス−FF7 DC その3 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

|- | | - | - |

引用と文字と

 古井由吉氏の『槿』をやっと読了して、感想のようなものを書こうと思ったのだけど、引用したい部分がUnicodeでないと表示できない……。
 引用だけに旧字を勝手に新字にかえてしまうのはまずいのかもしれないので、他に引用できる箇所を探して書き直さないと……。せっかく下書きしたものは使い道がなくなった。
 なんで文字にこだわるのかというと、前に読んだ同著者の『杳子・妻隠』の「杳子」の結び付近が非常に印象に残っているから。
「明日、病院に行きます。入院しなくても済みそう。そのつもりになれば、健康になるなんて簡単なことよ。でも、薬を呑まされるのは、口惜しいわ……」
 そう嘆いて、杳子は赤い光の中へ目を凝らした。彼はそばに行って右腕で杳子を包んで、杳子にならって表の景色を見つめた。家々の間にひとすじに遠ざかる細い道のむこうで、赤みをました秋の陽が痩せ細った樹の上へと沈もうとしているところだった。地に立つ物がすべて半面を赤く炙られて、濃い影を同じ方角にねっとりと流して、自然らしさと怪奇さの境い目に立って静まり返っていた。
『杳子・妻隠』 新潮文庫P145より
 この短編は引用部のあと、五行で終わる。作中たしか唯一の固有名詞をもつ杳子(通読したのがかなり以前なので記憶がすこしあやしい)のまさに「杳」の文字が物語りの中に浸食したとでもいうべき結び。
【杳】
△ヨウ(エウ)
1,くらい
2,ふかい。奥深い
3,はるか。とおい

解字
指事。木の下に日があることによって、日が西に沈んで、くらいの意味を表す。

漢語林 改訂版 大修館書店より
 「日」ではなく「陽」の文字を使ったのは、「陽」が「ヨウ」とも発音されるからかもしれない。こういった小説を書く著者の作品から引用をおこなう場合、やっぱり文字をそのままに引用したい。
|読書−その他 | 18:47 | comments(0) | trackbacks(0) |

スポンサーサイト

|- | 18:47 | - | - |
COMMENT
コメントする









お願い:必ずPROFILE欄を読んでからトラックバックしてください
この記事のトラックバックURL
http://un-jardin-bot.jugem.jp/trackback/28
TRACKBACK

SELECTED ENTRIES

RECENT COMMENT

RECENT TRACKBACK

OTHERS

人気ブログランキング【ブログの殿堂】
ブログランキング・にほんブログ村へ

みんなのブログポータル JUGEM